orenancaのこつこつブログ

就活(特に化学、非鉄金属メーカー)、スーツなどの情報を配信。ショボイ記事ばっかですが、こつこつやっていきます。

#CityReview PL5節 v.ノーウィッチシティ 19/9/14

お久ぶりです。オレナンカドーセです。

 

#CityReview 2記事目にして若干のめんどくささを覚えている次第だが、それはこのノーウィッチ戦の結果がアレだったからであろうと自分に言い訳をしつつ、今回も我らがマンチェスターシティの戦いを振り返っていこう。

本日のスタメンはこちら。

 

f:id:orenanca:20190915234048p:plain

ストーンズが短期の離脱から復帰。ここ二節コンディションが整っていない場面も見受けられたデブライネは、ベンチスタートとなった。シルバとアグエロは今季フル稼働を続ける。頼もしいベテランたちだ。前節のブライトン戦はマフレズを起用したペップだが、今日はベルナルドを起用。まだまだ序列は定まっていないようだ。当然ながら、本日もラポルテとザネは起用不可。厳しい台所事情を嘆いたいところだが…ノーウィッチの前では、口が裂けてもそんなことはできない。この日のノーウィッチは、実に8人が起用不可。昇格組とだけあって元の選手層にも差があることを考慮すれば、お気の毒と言わざるを得ない。先月PLの月間ベストイレブンに選出されたプッキが起用可能なことが、ノーウィッチにとって不幸中の幸いといったところだろうか。指揮官も「練習場より治療室のベッドに多くの選手がいる」とか、「”Park the Bus”しようにも、DFがいない」とか、キレキレのジョークを飛ばしていた。今となっては、全部フラグにしか見えない。

 

では、試合展開を振り返っていこう。

 

前半頭、4-4-2でシティのワイドを放棄し、コンパクトに陣形を組んでくるノーウィッチに苦労する。なかなかフィニッシュにたどり着けない、格下相手特有のもどかしい時間帯。また、アンカーに入ったロドリへの徹底的なマークは印象的だった。相手の2トップを中心に、ロドリにボールが入った瞬間、猛烈な勢いでチェックが来た。しかし、ロドリは冷静にボールを逆サイドに渡して見せた。圧倒的なプレス回避能力が、ノーウィッチのプランのひとつを無効化してしまった。

一方のノーウィッチは、シティのフォアチェックにも屈さず、後方から果敢にボールをつないできた。前節のブライトンを彷彿とさせる、失敗を恐れない勇敢な振る舞いだ。そして。パスワークは確かに機能していた。シティがサイドに追い込んだ場面でも、中央の選手がうまくサポートに入って三角形を形成し、見事に疑似カウンターへとつなげて見せた。そうしてゴール前に迫られ、CKを獲得。前半18分にマクレーンがヘディングでゴールをゲットした。

このCKのディフェンスにも、不安要素が残る。このとき、シティはゾーンディフェンスを選択。ゴール前に均等に選手を配置し、相手の選手にマーカーをつけることはしなかった。対して、ノーウィッチは後ろからラッシュしてくる戦法を取った。シティの選手とは飛び込んでくる勢いが違った。「ゾーンディフェンスの悪いところが出た」と。解説の渡邊さん。まったくその通りであると感じた。なんとなくセットプレーに弱いイメージのあるシティ。スパーズ戦もモウラにうまくニアに入られた。セットプレーのディフェンスの見直しは急務だろう。

 

ビハインドのなかで、相手の「バス」の周りをうろつく時間帯が続く。簡単にはフィニッシュまでいかせてくれない。さらに、28分にはラフなボールを拾われてピンチ。ウォーカーがマーカーを見すぎてラインを乱したところからボールを前進させられる。最後はカンドウェルがゴールに流し込み、まさかの2点ビハインド。いよいよ不穏な空気が流れる。

 

敵地で2点ビハインド。攻撃は思うようにいかない。ここで、ペップが動く。スタートは右にベルナルド、左にスターリングの逆足配置だったウィングを、配置転換。クロスをけりやすい利き足配置にして、追い上げを目指した。すると前半終了間際、早速果実が生まれる。左に入ったベルナルドがクロスを入れると、アグエロが完全なフリーでヘディング。なんとか前半のうちに一点を返し、後半に望みをつなげた。

後半もこの配置を続けたシティだが、私は不安を思えた。ノーウィッチのコンパクトな陣形になにもできず、チャンスを作れたのはクロスだけ。だったらクロスをけりやすい利き足配置にしちゃおう、という配置転換に見えた。すぐに成果は出たが、本当にこのままいくのか。この得点にシティというチームで再現性があるのか。後半に勝ち越す未来は、なかなか見えなかった。

さて、後半がスタート。追い上げたいシティだが、DFのパス回しにミスが出る。オタメンディからストーンズへのパスが乱れ、ショートカウンターを受ける。最後は事なきを得て、シティのゴールキックに。エデルソンがオタメンディにボールを渡すと、相手が猛プレス。それにオタメンディは気づいていなかった…あっという間にゴール前でボールを奪われると、プッキに横パス。冷静にゴールを決められ、またしても点差は2点に広がる。うつむくオタメンディと、手を広げ不満げなストーンズが今でも目に浮かぶ。オタメンディはこれまで、ほぼ毎試合ビルドアップでなにかしらのミスを犯していた。ミスどころか縦パスをバシバシ通していたラポルテとのクオリティの差は、言うまでもないだろう。それでも、起用する他なかった…どうしても、ラポルテの不在を感じてしまう瞬間だった。

 

四の五の言ってられないシティは、必死の追い上げを続ける。左でフリーになる機会が多かったことで、ベルナルドがフリーでボールを受けることが増える。さらに、後半からDFが全体的に高めに位置を取るようになり、CBがボールを持った時にほとんどプレッシャーに来ないことを利用し、CBがドリブルでボールを運ぶ場面が増える。効果的にボールを前に運べるようになるが、やはりフィニッシュは遠い。

それどころか、4点目に迫らんばかりのノーウィッチの鋭いカウンターを何度も見せられる。常に背後に脅威を感じながらの追い上げ。その最前線には、先ほどもPA内で驚異的な落ち着きを見せたエース、プッキがいる…。

 

さらに攻勢を強めるシティ。相手の足が疲労とともに止まってきて、ボールホルダーへの寄せやスライドが遅くなってきたことで、徐々にシティの攻撃が回り始める。ブロックを横に揺さぶり、陣形の奥を取って効果的な攻撃を仕掛ける。期待感の高いクロスも増えて、いよいよ得点のにおいが高まる。しかし、相手のGKクルルが冷静にシュートを処理していく。こぼれ球もほとんどなく、しっかしとキャッチしてシティにスキを見せない。

そんな中、ついに一点差に迫る。ロドリが枠外から右足を振りぬく。低弾道の弾丸シュートには、クルルの横っ飛びも及ばず。待望の2点目を、新加入ロドリのシティ初ゴールでゲットした。

しかし、それが後半43分。反撃が遅すぎた。その後も怒涛の枠内シュートラッシュで攻め立てるが、クルルにミスはない。結局3-2で逃げ切られた。

 

では、シティの選手を採点していこう。

 

㉛エデルソン…5.5

スパーズ戦しかり、セーブ率の低さは気になってしまう。PSMではブラボの神セーブで勝っていたと言っても過言ではないため、ブラボを使ってみてもいいのでは…と思ってしまはなくもない。ミスがあったわけでは無いのだが。

 

ストーンズ…6.0

カウンターに冷静に対応したり、縦パスや持ち上がりで攻撃にアクセントを加えたり、チームに貢献していた。及第点と言える。

 

オタメンディ…4.0

擁護のしようがない。ラポルテとの差を感じずにはいられない。毎試合ビルドアップでミスをしているようでは、起用も難しくなってくるのは当然だろう。彼にとっては、ここ数年で最悪の試合になってしまった。

 

②ウォーカー…5.5

攻撃が停滞していた中で、彼の持ち上がりの力強さはアクセントになっていた。ただ、失点に関与していたと言わざるを得ない。難しい対応ではあったが、マーカーを気にしすぎてしまった。

 

⑪ジンチェンコ…5.5

滞りなくボールを循環させ、シティの攻撃にスピード感を持たせていた。しかし、システム上仕方のないことではあるが、シティの左サイドを使われるシーンも少なくなかった。

 

⑯ロドリ…7.5★

この日も最高のパフォーマンスを見せてくれた。非常に強度の高いノーウィッチのプレッシャーに屈することなく、冷静にボールをさばいて見せた。出て行って潰す守備も強度は抜群で、早くも不動の選手といってよいだろう。また、ミドルレンジからのシュートまで披露し、攻撃にも高いクオリティで関与できることを示した。

 

f:id:orenanca:20190905122033j:plain

 

ギュンドアン…5.0

今日は彼が「消えた日」だった。存在感は薄く、これといったインパクトは残せなかった。自分を活かせるスペースを最後まで見つけることはできず、デブライネと交代した。

 

㉑ダビドシルバ…6.5

今期は継続してコンディションを維持し、高いテクニックを披露している。スペースがない中でスペースを見つけ、相手の陣形にほころびを見つけていった。シティの右サイドがほぼ死んでいた中で、サイドにポケットを作れる貴重な存在だった。

 

スターリング…6.0

惜しいクロスやバーをたたくシュートはあったが、結果を残すには至らなかった。最もいい時の彼ではなかった。

 

⑳ベルナルドシウバ…6.5

様々な場所に顔を出し、アグエロのゴールをアシストした。個人技で何かをできるタイプではないため、膠着した状況を打開するには至らなかった。

 

アグエロ…7.0

ストライカーらしい完璧なポジショニングで、またしても得点を記録した。相手がブロックを組んで構えてくる状況でも、無理やり崩す強引なテクニックには希望を感じた。

 

 

途中で寝落ちしたので(悪い夢だったらよかったけど…)、ちゃんと見れてるか心配だが…次回はたぶん、9/21 ワトフォード戦の#CityReviewでお会いしましょう!!

 

 

#CityReview PL第4節 v.ブライトン 19/8/31

今回は、シチズンでありながらマッチレビューが大好きな私が、「シティの試合を毎回マッチレビューしてくれる人がいたらな…」と思い、だったら自分でやってみるかということで、プレミアリーグ第4節、ブライトン戦のレビューをしてみようと思う。

とはいえ、サッカー経験もなく、サッカーの知見も浅いうえに、シチズン歴もペップが来てからと、にわかもいいところなのが私である。そんなひよっこが書いた記事だと思って、暖かく見守って頂きたい。

 

では、スタメンから見ていこう。

 

f:id:orenanca:20190904230544j:image

 

両チーム、こういったラインナップになった。

 

続いて、得点を振り返っていこう。

 

まずは、前半2分。右サイド低い位置でボールを保持していたシティは、複数の選手を経由して素早くサイドチェンジを開始する。1本のロングボールでの展開もボールの移動が早く効果的だが、細かく繋ぐサイドチェンジは常に別の選択肢を保持しながらサイドチェンジできるため、違った良さがある。相手は中央のケアにも追われることになり、ボールホルダーや受け手に積極的に詰め辛くなるのだ。ラポルテ、ジンチェンコと素早く繋ぐ。今日のブライトンは5-4-1のシステムを採用した。ハーフスペースのケアや、ペナルティ内でのスペースのケアを重要視したフォーメーションとも言える。さらに、ボールサイドに選手を圧縮してスペースを奪い、シティの自由を制限する選択をした。右サイドに寄っていたブライトンの選手は、素早いサイドチェンジに着いていけない。実は、こういった場面は試合中に今回のみならず何度も散見された。そこでキーになるのは、ブライトンの中盤4枚の脇のスペース。右サイドはウォーカーがCB気味に位置取る事もあり、代わる代わる選手がそこのスペースを使う。しかし、左サイドではほとんどの場面で、ひとりの選手が中盤の脇のスペースを利用した。ジンチェンコだ。彼はご存知の通り、もともとフルバックは本職ではなく、中盤を主戦場とする選手だ。その類まれなるパスセンスを活かして、彼はこの試合、躍動した。この場面では、細かいサイドチェンジからボールを受けたジンチェンコが、高精度のスルーパスを供給。スターリングがディフェンスラインを前側に釣るようなランニングでスペースを提供すると、シルバが絶妙なタイミングで飛び出し、見事にDFライン裏のハーフスペースをゲット。GKのライアンも吊り出され、ゴールは空けざるを得ない。アグエロがゴール方向のファーに走り込みながら相手DFを釣り出すと、マイナスにぽっかりとスペースが。見つけたデブライネが走り込み、冷静に右足で沈める。実に開始2分にして先制ゴールを沈め、エティハドでブライトンを圧倒する。

 

前半36分、アクシデントが発生。CBのラポルテがタックルにいった際に、相手選手と交錯。立ち上がることもできず、担架で運び出される事態となった。これで、シティのCBの台所事情はさらに厳しくなった。ラポルテの負傷は年末か年明けあたりまで長引きそうだ。ストーンズはインターナショナルブレーク明けには起用可能となりそうだが、コンパニを放出した今、ビルドアップやディフェンスの判断に不安が残るオタメンディを軸として起用することになりそうだ。この日もひとつ自陣深くでのパスミスが見られ、その他の場面でも最善の選択はできていないように思われる。強豪相手のハイプレスと効果的なランニングに、どこまで耐えられるだろうか。もうひとつ上のレベルのパフォーマンスが求められるだろう。また、ストーンズを欠くこの日にラポルテの穴を埋めたのはフェルナンジーニョ。天性の守備センスと、線の細さに似合わぬパワフルな当たりは、シティのCBとして相応しい振る舞いだった。ビルドアップの安定もはかれるとあって、ここまでジーニョがCBでプレーできたのはプラス材料だ。他には、ウォーカーやエリックガルシアなどのCB起用も可能性として残されている。どちらにせよ、この過密日程を本職CB2枚で乗り切るのは、至難の業と言って差し支えないだろう。

 

f:id:orenanca:20190904233241j:image

 

しかし前半42分、シティが突き放す。ウォーカーの後方からの縦パスに、マレズが反応。タイミングよく中央に入り込みながらボールを受ける。難しいファーストタッチだったが、完璧なコントロール。カットインしながら、背後に走るデブライネを見つけた。今日のマレズは冴えている。咄嗟のヒールパスで攻撃を加速させる。すると、すぐさまゴール前、DFの間に位置どってクロスを待つ。デブライネが入れたグラウンダーのクロスは、フリーになったマレズの前を通過。後方からやってきたのはアグエロだ。ブライトンは後手後手、マークを捕まえきれない。さらにアグエロがひとつキックフェイントを入れれば、DFはバランスを崩す。DF2枚のブロックは及ばず、アグエロが神コースにビューティフルゴール。PA内で落ち着き払った完璧な振る舞いを披露した。

 

前半が終了。スコアは2-0とシティが圧倒したが、ポゼッションは約50%ずつを分け合う形となった。ブライトンはグラハムポッター新監督のもと、ポゼッションを志向するサッカーを果敢に貫いた。シティはいつもにまして前線から激しくプレッシングしたが、動じずに自陣深くで落ち着いてボールを保持した。しかし、シティのゴールにそこまで多く迫れた訳でもなかった。私はその原因は、

①横パスやバックパスの比率が多かったこと

②敵陣でサイドを変えるようなボールを蹴れなかったこと

の2点が大きいと思っている。もちろんこれらを実行できた場面もあり、大きなチャンスに繋がっていた。しかし、もうひとつ大きな原因があったように思う。それは、

③トロサールのクオリティの低さ

である。トロサールの出来次第では、ゲームの展開は違ったものになっていたかもしれない。ベルナルドとバーンの分厚い攻撃で、シティの右サイドを幾度となく攻め立てたブライトン。その哲学は、今後の可能性を感じるには充分な内容だった。

 

しかし、後半10分にシティは試合を決定づける。やはりハーフスペースでフリーになったジンチェンコは、シルバに縦パス。ダイレクトでシルバがはたくと、バイタルでアグエロが受ける。完璧なファーストタッチから、ゴール右上隅にノーチャンスのビューティフルゴール。

 

さらには後半34分、代わって入ったベルナルドシルバがわずか1分足らずで得点。終わってみれば4-0と、危なげなく勝ちを重ねた。

 

では、選手を採点していこう。

 

㉛ エデルソン......6.5

正直あまりプレーの記憶がないが、クリーンシートを達成。安定したパフォーマンスを見せた。

 

②カイルウォーカー.......6.0

2点目の起点になる縦パス含め、今季は積極的な攻撃参加が目立つ。シティの攻撃に厚みをもたらした。ブライトンの左サイドからの攻撃には手を焼いたが、結果的にはクリーンシートを達成した。

 

⑭ラポルテ.......6.5

この日も攻撃の起点になった。無駄のないボールコントロールと縦パスのうまさはチームに不可欠。早く元気になってくれることを願っている。

 

オタメンディ......6.0

落ち着いた対応で、ブライトンの攻撃をシャットアウトした。ビルドアップでひとつミスがあった。

 

⑪ジンチェンコ......7.0

相手の中盤4枚の脇のスペースで躍動。2得点の起点となるパスを出した。この試合のキーマンとして、充分なパフォーマンスを見せた。守備ではまだ左サイドのスペースを管理できているとは言えず、改善が必要である。

 

f:id:orenanca:20190905121950j:image

 

⑯ロドリ.......7.0

完璧なパフォーマンスを維持した。やや危険なビルドアップもなくなり、安定したボールさばきがシティのポゼッションを支えた。守備では前に出ていく、カバーリングとそつなくこなして見せた。彼のタックルは今日も強烈で、奪いきる力は世界でも指折りだろう。我々が素晴らしい補強をしたことを、今日もロドリは教えてくれた。

 

⑰デブライネ......6.0

前節に引き続き、ややコンディションが思わしくない印象。しかし、しっかりと攻守に走り回り、チームに貢献。アシストも記録した。

 

㉑ダビドシルバ......7.0

前節に引き続き、トップフォームを維持している。判断も冴えており、得意のバイタルやハーフスペースを使った攻撃が今日も相手を苦しめた。アシストも2つ記録。

 

スターリング......6.0

あまり存在感を示したとは言えないが、フリーランやプレッシングでは組織的な動きを見せ、チームに貢献した。

 

セルジオアグエロ.......7.5★

彼の今季のベストゲームとなった。ゴールはふたつともプレッシャーを受けながらノーチャンスのコースに蹴りこんでみせた。格下相手に苦しむこともあるシティにとって、心強いストライカーであることを示した。そして、なんといっても今日は精力的な守備貢献が目を引いた。前線からスプリントしてプレッシングをかけ、相手のビルドアップを制限した。ブライトンを苦しめるには充分だった。

 

f:id:orenanca:20190905122033j:image

 

㉖リヤドマフレズ.......7.0

今季のマフレズはなにか違う。右サイドからチャンスを作り、得点に絡んだ。ファーストタッチも冴えており、カットインのキレも良かった。フリーランニングも良く、チャンスを作った。守備貢献も申し分なく、自陣深くまでプレスバックしたり、中盤でインターセプトしたり、精力的に守備参加した。今季の彼は、なにかやってくれそうだ。

 

 

さて、次の #CityReview は、9/14 25時30分開始のノーウィッチ戦でお会いしましょう。

 

 

 

 

 

【スーツ】新入・若手社員用!初心者スーツのススメ!!【スーツ編】

大学4年生のみなさん、就活おつかれさまです。

そして、若手社会人のみなさん、お勤めご苦労様です。

 

今回は、これから就職を控えている、もしくは社会に出て間もない方たちで、スーツのことがいまいちよく分からない・・・という方たちに向けて執筆しようと思う。私はこれまで、あまたのスーツ雑誌に目を通してきた。スーツ屋でバイトし、新商品を全てチェックし、実際に試着したりしてきた。店長と暇な時間にはだべり、スーツのいろはを叩き込んでもらった。街中でスーツ屋を見かけると、中に入ってどんなものが売っているかチェックしたりしている。それなりにスーツに関する知見は集めてきたつもりだ。そして、知識を得た今、街中をゆくサラリーマンを見ていると、とても悲しい・・・もっとかっこよく着こなせないものかと。スーツに関するリテラシーが完全に欠落している。

 

それもそのはず、スーツのいろはを教えてくれる大学などないのである。知識など、自分から取り入れようとしなければ得られない。そこで、これに目を通せばスーツに関する常識はある程度分かる!というレベルに皆さんがなってもらえるよう、このブログに基本的な知識をまとめてみる。繰り返しになるが、スーツに関して、この年代(大学4年です)にしてはそれなりに知識を集めたつもりなので、いったん信頼してもらって、スーツへの理解を深めてもらいたい。そのうえで、自分なりの哲学を築きあげてほしい。

これからスーツを着る人口は減少の一途をたどるだろう。事実、ネクタイ業界は「クールビズ」という地獄のような政策のおかげさまで、計り知れない打撃を受けているようだ。そんな時代でも、「ジャケット・ネクタイ必須」という場面は必ず訪れる。普段来ていない分、あたふたすることは目に見えている。そんな時に恥をかかぬよう、リテラシー程度は身に付けておこう。

 

 

 今回は、スーツ編としてスーツに絞ってお送りする。シャツやネクタイは、次回に譲るものとする。

 

スーツ編

まずはスーツから。スーツとはジャケットとパンツを組み合わせた総称である。コーデにおいてもっとも面積が広いため、印象を大きく左右する。しかし、なにも難しいことはない。順番に見ていこう。

色柄

まずは色と柄について触れていく。おそらく、特に新入社員の方々は、就活で買った黒の無地をひとつだけ持っている、もしくはそれに加えて入学式で使った黒のスーツをも一個持っている、なんて人が大多数であろう。

まず、スーツにどんな色のバリエーションがあるかというと、黒、紺、グレー、ブラウン、ベージュなどのスーツは見たことがある。この中でも、「ビジネスマンはまず黒、紺、グレーをそろえろ」という決まりがある。

では、ここで考えてみてほしい。もしあなたが一着もスーツを持っていなかったとして、黒、紺、グレーの三着のスーツをどの順番で購入するのがセオリーだろうか?

解答は・・・・・・

 

 

 

1:紺 2:グレー 3:黒

当たっただろうか。おそらく、黒が最初だと思った方が多いのではないだろうか。実はこれ、スーツ界の常識からは少しずれている。では、なぜこのような認識のずれが起こるのだろうか。

その原因として考えられるのは、就職活動という日本独特の文化だ。日本の就活には、本当に多くのルールが存在する。スーツは黒無地、シャツは白、ネクタイはブルーのストライプ・・・この異様な文化が、一般的なスーツの常識と我々の認識の間にかい離を生んだのだ。また、葬式などと黒を着る機会はなにかと多い。そんな文化に生きて来たら、「黒がスタンダード」と思い込むのは至極当然だ。黒のスーツしか知らない人がほとんどだからだ。スーツにおけるスタンダードは黒ではない。紺だ。黒は、「紺とグレーを買いそろえてスーツのことも分かってきた人が、新たなオプションとして手を出してみる色」なのだ。着こなしの面からみても、黒は本当に使いにくい。スーツになれていない人が「これでいいや」と言って難易度の高い黒のスーツを選んでしまっては、ちぐはぐになるのも当然だ。「スーツは紺無地から入る。」これは、恐らく誰に聞いても異論のない鉄則なので、抑えておこう。

もっと掘り下げると、絶対に「無地」が良い。スーツには、しっかりとストライプが入ったものや、「シャドーストライプ」と呼ばれる、遠くから見ると無地に見えるけど近くで見ると透明なストライプが走っている柄などがある。スーツ初心者が陥りがちなのは「がっつりストライプ入ってるのは、悪目立ちするのも嫌だしやめておこう。かといって完全に無地だと地味すぎるかな・・・シャドーストライプくらいがちょうどいいか。シャドーストライプにしよう!」という落とし穴。今回は若年層向けに話をしているので、比較的安価なスーツを買うことを前提とするが、質の低いシャドーストライプのスーツは本当に、本当にダサい。シャドーストライプは、ものによっては安っぽく見えてしまう、案外危険な柄なのだ。下手な小細工はいらない。無地。シンプル。オーソドックス。これが鉄則だ。

以上のように、ファーストスーツは紺無地一択だ。シンプルでベーシックなものにしよう。紺無地なら、普段使いはもちろん、役員との面接、転職面接、彼女のご両親へのご挨拶、友人の結婚式、どんな場面にも対応可能だ。使えないのは、お葬式くらいだろう。一番汎用性が高くて、一番かっこいい。紺無地スーツを持っていないひとは、今すぐスーツ屋にGOだ!!

 

ディテール

 

続いて、スーツの細かい部分を指定していこう。

今説明したところでイメージはしにくいと思うので、スーツ屋で店員さんと一緒に確認するのがいいと思う。

 

〈サイズ感〉

スーツにおいて、サイズ感は命。色よりも柄よりもデザインよりも、なによりも大事だ。サイズの見方は諸説あるので担当した店員さんに従うとして、自分なりにこだわったほうがいい。ダボダボでもダサいし、ピチピチでもダサい。程よいゆとりがなければならない。直しも怠ってはいけない。ウエストを直すだけで1500円近くかかるのでちょっと痛いが、直しをやるだけでだいぶ変わってくる。ウエストのみならず、太もも周りの「渡り」、ズボンの最も先端にあたる「裾幅」あたりは見ておこう。これらをいじるだけで、パンツのシルエットが目に見えて違う。

そして、苦労するのが筋トレをしていたりスポーツマンだったりして上半身だけムキムキになってしまった人だ。スーツはかっこよく着られると思うが、サイズで苦しむことになる。普通、スーツ屋では上下を同じサイズで販売する。偏ったサイズだけ売れ残っても在庫管理の観点から困るからだ。なので、マッチョはしぶしぶ高い金を払ってそこらじゅう直しまくるか、高い金を払ってオーダーを作るしかないというオチがある。

しかし、ここでマッチョに朗報。青山では、上下別のサイズでの販売を行っている。これはかなり珍しい。マッチョのために作られた店なのだろうか。マッチョは今すぐAOKIへGOだ!!

 

 

〈その他〉

そのほかにもラペル(襟のところの折り返し)、ベント(上着の背中の切れ込み)、ポケット(フラップポケット・チェンジポケット、etc...)などあるが、最初は特に気にしなくていいだろう。ただ、裾の仕上げは最初はシングルにしよう。ダブルという、折り返した形で仕上げるものもある。イメージとしては、私服で言うロールアップみたいな感じだ。これは上級テクなので、まずはシンプルにシングルにしよう。

 

いかがだっただろうか。スーツについて、私なりに語ってみた。これの言う通りにして、絶望的にダサくなることはないと保証しよう。店に入ったら「すいません、紺無地のスーツ探してまして」でOK。シンプル、オーソドックスを心がけよう。

今後も、スーツに関する知識を共有していきたいと思っている。次回も呼んでもらえることを期待する。

 

 

 

 

【就活】自己分析が最重要!!

今回は、就職活動における自己分析について解説していこうと思う。

 

とはいえ、自己分析は軽視されがちな印象がある。後回しににされがちで、確かにめんどくさい。かく言う私も自己分析は2月くらいまで後回しにしていた。2月のインターンで出会った1人の男が、私を助けてくれた。「まだ自己分析できてないの?話聞いた感じだと、軸もブレブレだぞ。マジで急がないとヤバいよ?」初対面の私を叱ってくれた、素晴らしい男だった。話は逸れるが、一期一会が就活を変えたりする。大切にしよう。

 

さて、就活でやっておけばよかったことランキングでダントツの1位に輝く自己分析。まず、そもそもなぜ自己分析をしなくてはならないのかということだが、

①間違った強みをアピールしてしまう

②間違った志望動機や将来像を語ってしまう

これらの事態を招きかねない。自己分析せずにESを書いても案外通るが、面接でボロが出る。深堀されて深堀されて深堀されて、おかしいなと思う部分をさらに深堀されて、自分がうまく答えられていないことに気づく。そして、「俺のしたいことってなんなんだ?」と、ふと思う。選考真っ只中の4月や5月、就職活動が振り出しに戻るのだ。

「これがほんとに俺の強みなのか?」

「俺はどうなりたい、なにをしたいのか?」

面接の時期に、この悩みは必ずやってくる。自己分析をした人も同様だ。1ヶ月や2ヶ月で解決するものではない。ずっと悩みながら、自分をただただ研究するしかない。

 

ただ、面接の前に悩んでおくだけでだいぶ違う。自分の軸がハッキリしていれば、それに則する企業を選ぶだけ。志望動機だってスラスラ書ける。「私の軸はこれで、そこに貴社のこれが合致してます。」と、これだけだ。

自己分析を後回しにしたって、結局自己分析に戻ってくる。志望動機が書けない、面接でボロが出る、自分が行きたいのはこの会社なのか分からなくなってくる…俺の軸ってなに?に戻ってくるのだ。

 

さて、具体的な手法だが、「絶対内定シリーズ」の自己分析をやればよい。他にも色々本があると思う。それらは試してないが、私は絶対内定で足りたので、それで良いと思う。

だめなのは、ネットで検索したら出てくる心理テストみたいなやつで済ませること。あれは、ほんとに占い程度に思っておいた方が良い。参考程度にはするが、あれを自己分析とは呼ばない。

 

さらに、参考までに私の1番しっくりきた企業選びの軸の選び方を紹介しよう。それは、「どういう時に自分の感情が最も大きく動くか」ということ。情熱が湧いてきたり、激しく悔しかったり、涙が出るほど喜んだり、そんなことはないか。考えてみてほしい。

ある人は、数字や結果を残すこと。

ある人は、競争して勝ち残ること。

ある人は、人をサポートして喜んでくれること。

色々と人によってあるだろう。私は、「人に必要としてもらえること」だった。お前がいると楽しいとか、助かるとか、ありがとうとか、そういうことを言われた時に涙が出るほど嬉しい。必要とされてないと感じたり、自分が役立たずだとわかった時は、全身に言い表せない不快感が走る。悔しいし、恥ずかしいし、惨めになる。これらの時に1番感情が動いた。なので、この「人に必要としてもらえること」を軸に据えたのだ。

多くの業界に影響力を持ち、製品の本質的な価値の源泉にあり、素材の中でも付加価値率が高いのが化学だった。

人に必要としてもらうには能力がなければいけないので、成長出来る環境を重要視した。

専門家の方が必要としてもらえるだろうと思い、経理を志望した。

軸が決まれば、そこから流れるように全てが決まっていくのが分かると思う。このように、自己分析が全ての源泉になるのだ。

 

今回は、自己分析について語ってみた。後回しは禁物。今すぐにAmazonでポチろう。

では、また会いましょう。

【就活】オススメ!非鉄金属メーカー図鑑!!

前回は、オススメ!化学メーカー8選!!というブログで、優良化学メーカーを紹介してきた。しかし、実際には私は非鉄金属業界も見てきたため、当業界についても多少の知識はある。

そこで、今回はオススメの優良非鉄金属メーカーを紹介していこうと思う。非鉄に興味を持っている人はもちろんだが、案外非鉄という業界は化学と似た毛色を持っていると感じているので、化学業界を志望する就活生は少し見ておくのをお勧めする。ちなみに「非鉄金属」とは、鉄以外の金属のことだ。銅・銀・金など、鉄以外の金属ならなんでも非鉄だ。なので、業界としては結構幅広い。もとは鉄も非鉄も同じ金属なのだが、「鉄は国家なり」なんて言葉もあったくらい、鉄は産業の象徴ともいえる代表的な素材だったのだ。「じゃないほう」としてくくられてしまった非鉄にはちょっとかわいそうな話だ。

化学との比較で言えば、

Ⅰ若干残業が多め

Ⅱ若干体育会系のノリや、飲みが多め

Ⅲ若干採用人数が多く、入社難易度は低め

というイメージを受けた。もちろんこれは化学業界との比較であり、全国的に見れば残業は少なく、飲みも少ないし、入社難易度も非常に高い。

これらを踏まえてみてもらえるとよい。

 

加えて、今回は新たな試みとして、入社難易度という項目を付け加えてみようと思う。このアイデアに至った背景としては、私が就活中に入社難易度を見極めることが非常に難しかったからだ。社員に「学歴フィルターはありますか」と聞いたところで、「誰にでも可能性はあります!」というにきまっている。誰も、「貴様のようなFランはいないなあ」なんて言わない。ありがたいといえばそうだが、結局その企業が「妥当レベル」なのか、「チャレンジレベル」なのかが分からない。

これを聞いた就活生の中には、「レベルとか言ってないで、可能性があるなら挑戦すべきだ!」という意見の人もいるだろう。確かに、そういうチャレンジ精神も大切だ。だが、あまりきれいごとばかり言っても皆さんのためにならない。私は、あえて現実的な話をしたい。

私は難易度別にレベル分けし、リスクを管理しながら高みを目指した。具体的ンランク付けは、

 

A難度:【記念受験レベル】自分の大学のOBは数年に一回しかとられない。社員や就活生の学歴のほとんどが自分より上。学内説明会は自分の大学に来ないか、来たとしても他の大学と比べると下の方の学歴。

B難度:【チャレンジレベル】自分レベルの学歴の採用数は毎年10~20%くらい。毎年採用はあるが、ボリューム層は自分より上の学歴。インターン選考に落ちた。

C難度:【妥当レベル】自分の学歴がボリューム層にあたる。

D難度:【滑り止めレベル】自分の学歴より上の人はあまりいない。聞いたことのない大学名のひとをちらほら見かける。周りのレベルがあまり高くない。

 

こんな感じでランク付けしていた。企業に対してはとても失礼だが、重要な戦略だ。

さて、入社難易度の話はいったんおいておいて、本題の方に入っていこう。

私が知っている優良非鉄金属メーカーはこちらだ。

なお、以下より入社難易度は私の学歴である「MARCH層」を主観として話を進める。

 

 

 

 

 

No.1 JX金属

売上高:1兆418億円

従業員数:2749人

海外売上比率:70%

入社難易度:B

「JXTGグループ」の中核を担う、世界有数の巨大非鉄メーカー。このグループにはほかに「JXTGエネルギー」という原油を取り扱う企業もいるが、グループ内でのシナジー、人事交流などは全くと言っていいほどない。決算を一緒にしてるだけ、みたいなゆる~い繋がりなので、そこまで意識する必要はない。なぜJX金属だけ「TG」が抜けているのか、なぞは深まるばかりだが、そんなことはどうでもいい。当社は鉱山の権益への投資を今も拡大するなど、積極的に鉱山開発事業に投資する姿勢を見せている。三井金属鉱山も同じく精錬をやっていて、両社は合同で「パシフィックカッパー」という精錬の企業を立ち上げるなど、仲良しだ。

人材育成やキャリアステップも特徴的。まず、部門間のローテーション(例えば営業→人事→経理)はほとんどない。もちろん、部門内のローテーション(例えば工場経理→本社経理→本社財務)はある。その意図としては、スペシャリストを育てたいという思惑がある。営業なら、営業一本でそれだけを極めることができる。

更に、入社3年目で全員が必ず2か月海外に語学留学する。強制だ。「優秀な限られた人がいける」というところが多いが、この2か月間は業務にも一切かかわらなくていいそうで、ひたすらに語学を習得。強い海外展開に対するこだわりと、人材育成のためにすべてを惜しまない覚悟が伝わってくる素晴らしい制度だ。

面接は4回とやや多め。一次面接はグループ面接。WEBテストは自宅玉手箱。MARCH、KKDR層は一年に1、2人程度。かなり厳しい戦いになる。

本社は東京駅に「JXビル」というめちゃくちゃ綺麗で立派な新しいビルを構えて、JXTGエネルギーと一緒にビルに入っていた。しかし、先日本社の移転を発表。今まで見た中で一番きれいなビルだったが、いったい何をしたいのだろう・・・

 

No.2 古河電気工業

売上高(連結):9673億円

従業員数(連結):51925人

海外売上比率:60%

入社難易度:B

 

電線御三家(古河電工住友電工フジクラ)の一角を担う。古河グループの中核で、古河機械金属富士電機富士通の生みの親。歴史ある企業だ。情報通信には特にたけており、最近では「5G回線」関連の事業で受注を勝ち取った。

自他ともに認めるホワイト企業で、社員の方々も認めていた。フレックスも普及していて、くるみん、ホワイト500などのタイトルは総なめ。

本社は東京駅の駅チカ。古河機械金属と同じビルに入っている。仲良し。周りには高級ブランドの店が立ち並ぶ、オトナの街。

実力・ブランドともに申し分ない、言わずと知れた優良企業だ。

 

No.3 DOWAホールディングス

売上高(連結):4547億円

従業員数(連結):6400人

海外売上比率:50%

入社難易度:C

 

銅を主力製品として扱う。資源開発や精錬にも手を出している。近年は特にリサイクル系の事業に注力しているようで、自社内でのリソースの完結を目指す。

最大の特徴は、本社が秋葉原にあること。私はあまり興味がないので分からないが、一部の熱狂的なファンを抱える土地が秋葉原なので、特定の趣味を持つ人々にとっては華々しい「アフ5」になるに違いない。

一方で、最大の欠点は寮がボロイことと、寮を出たら家賃補助が一切出ないということだ。これはかなり致命的で、社員の不満も噴出している様子。もしかしたら改修の計画が出るかもしれないので、説明会などで聞いてみよう。

 

No.4 三菱マテリアル

売上高(連結):1兆5995億円

従業員数(連結):26959人

海外売上比率:50%

入社難易度:B

 1990年、三菱金属と三菱鉱業セメントが合併して爆誕した巨大企業。「素材のデパート」の異名を持つ。川上・川中・川下にバランスよく製品を持ち、規模は世界レベル。三菱グループでも最重要企業として位置付けられている。

経営は、特徴的な「カンパニー制」を敷く。三菱マテリアル内に、会社が何個かあるような感じだ。しかし、ホールディングスほどつながりは弱くない、といったところ。「セメント」「金属」「加工」「電子材料」の4つのセグメントを持ち、さらにリサイクル事業も手掛ける。

この多岐にわたる事業を活かして、「二次廃棄物ゼロ」での生産を行っている。ある事業で出た副産物を、他の事業部で使うのだ。これにより、二次廃棄物をかなり削減できている。カンパニー制を敷く巨大企業ならではのメリットだ。

しかし、そんなエリート企業に暗雲がたちこめる。2018年に、製品の品質に関する検査の結果を偽って報告して販売していたという事実が発覚したのだ。ちなみに、これと似たような事案は同じく2018年に神戸製鋼所でも報告されていた。しかし、三菱マテリアルの方がより強いバッシングを受けている。それは、不正の件数が多かったからだけではない。実は、2016年に子会社である三菱アルミニウムにおいて前述のような不正があったことが発覚したにも関わらず、それを公表せず、製品の販売を継続していたのだ。そして、神戸製鋼所の発表を受けて、慌てて後追いで発表した格好。このようなあきれた態度には、厳しい批判が寄せられた。失った信用を取り戻すべく、社員は頑張っていかなければならない。

事業の話に戻ると、海外展開にも積極的だ。「10年後には半分の社員を海外駐在させる」という数値目標が出ているという情報もあり、海外勤務を経験したいと考えている就活生には朗報だ。

採用も特徴的。制度を知っていたほうが絶対に有利なので、必ず押さえておこう。まずは、年明けに行われるワンデイインターンや、座談会。これにはぜっっっっったいに参加しよう。イベント参加者には後日電話連絡が入り、「パフォーマンスが高かったため、個別の社員面談に招待します」と言われる。これ、優秀な人限定と思ったが、私の友人は全員この連絡を受けていた。たまたまかもしれないが、確率はそれなりに高いだろう。そして、この面談は選考ではなく参加は任意だと言われるが、もちろん選考。この面談を2回突破すると、晴れて一次面接免除となる。次の二次面接は、各部門から社員が集まり、社員8人くらいに対して学生は3人だった。採用は部門別になっており、営業はカンパニーを選択、コーポレート系は経理財務、総務人事法務、物流購買、などといった形で分かれていて、就活生はどれかを選択。オファー形式で「経理部からオファーが来ました」と連絡が入れば、経理部の最終面接に進む。部門別採用はあんまり見ないので、要チェックだ。

 

No.5 日本軽金属

売上高(連結):4818億円

従業員数(連結):1897人

海外売上比率:25%

入社難易度:C

 

アルミニウムと、その周りの化成品を扱う。アルミニウムはボーキサイトを原料に作られており、皆さんもよくご存じの素材だと思うが、発見されてから約200年と意外に人類に発見されてからの歴史は浅い。鉄が紀元前3000年から利用されていたことを考えれば、なんとなくイメージが湧くだろう。

歴史が浅いことのメリットとしては、①開発されつくしていないため、まだまだ研究開発の余地がある。技術的進歩に限界を迎えている素材も多くあるなかで、大きく伸びしろを残している。②原料が依然として地球に多く埋蔵されている。鉄などは長年人類による掘削が行われてきたため、埋蔵量は減っている。開発しやすい鉱山は食い尽くしてしまっているため、人類はもっと環境が厳しい奥地などにリスクとお金をかけて鉄鋼石を取りにいかなければならないのだ。まして、埋蔵されているかはあくまで推測なので、掘ってみたら量や質が悪かった、なんてことも。そうなったときには企業としては大きな損失なので、鉱山開発のリスクはとても大きい。一方で、ボーキサイトはまだ埋蔵量に余裕がある。安価に掘削できるため、アルミが安価で市場に流通することが可能なのだ。さらに、理論上は永遠にリサイクル可能なので、社会貢献性も高い。ボーキサイトからの精錬に比べて、リサイクルは電力消費が3%で済む、みたいな話もあった気がする。とにかく地球にやさしいのだ。

さらに、市場も伸びている。アルミの市場規模は、世界のGDPよりハイペースで拡大している。「軽量」「丈夫」「抗菌」など非常に有用性の高い特性を持っていて、最近では自動車のボディが鉄からとって代わるのではとの見方もある。競合で言うと、エンジニアリングプラスチック(付加価値がついたプラ)、カーボン(炭素)などが軽いという面であげられるが、丈夫さではアルミが勝っているといった感じ。ただ、エンジプラも最近はエンジン回りの素材に使われるなど耐熱性も向上しており、技術力の進化はすさまじい。

さて、アルミ全体のことから、話を国内に移していこう。国内における大きなプレーヤーは「UACJ」「日本軽金属」「三菱マテリアル」「神戸製鋼所」といったところだろうか。この中で、アルミを専門に取り扱うのはUACJと日軽金だけだ。案外、国内のアルミメーカーは少ないのである。UACJは、近年アルミ業界の売上ランキング上位2企業を合併して生まれた巨大アルミメーカー。日軽金は規模では劣るが、品質は負けていない。2016年まで国内で唯一ボーキサイトの精錬事業を手掛けており、今は撤退してしまったが、アルミ専門メーカーとしてのこだわりがうかがえる。UACJが規模で汎用品を作って薄利多売の価格競争を繰り広げるのに対し、日軽金はニッチな分野に高品質・多品種で攻めて、小ロット・高価格で利益を上げていく。その確かな技術力は、市場の変化にも対応していくに足りるものだろう。

採用は時期が早め。4月中旬には内定も出始めるとか。ESもなく、全員が一次面接に臨むことができる。面接は3回。早めに内定を持っておくとかなり楽になるので、チャレンジしてみよう。

 

 

【入社難易度に関する補足】

以上が、私が知るオススメ非鉄メーカーだ。さて、ここで冒頭にも触れた入社難易度の話にも触れていきたい。

 

例えば、本選考においてエントリー企業を40社としよう。その場合、私ならだいたいこのくらいで枠を割り振る。

 

A:3社 B:10社 C:17社 D:10社

 

こんな感じが、一番バランスがいいと思う。

就活生がやりがちなのが、チャレンジ精神を発揮してしまってA,B難度にばかりエントリーしてしまい、ESや一次でがっつり削られた挙句、中盤戦には持ち駒がない、というパターンである。

一方、先ほどにあげたくらいの例で組んでおくと、C,Dは5割くらい通る→C難度の内定を中盤戦でゲット→C,D難度の選考はすべて辞退してA,B難度に集中、という立ち回りが可能になる。大企業ほど選考が遅いことを考えても、こちらのほうがうまく立ち回れるはずだ。

そして、残酷な話だが、本当に格上との闘いは厳しい。特に素材の事務系は、かなり高倍率の中で戦わなければならない。なので、他業界と併せてエントリーするなり、C,D難度もしっかりとエントリーしておくなりしないと、本当に持ち駒がなくなる。入念に戦略を立てて三月一臂を迎えよう。

 

こんな感じで、就活に関するブログやツイートを配信しています。フォローよろしくおねがいします!

では、また会いましょう!

 

 

 

 

 

 

 

【就活】オススメ!化学メーカー8選!!

化学メーカーに興味を持ったものの、全部聞いたことないし、なにがなんだか…という人は多いはず。なので、化学メーカーを就活でひたすら回ってきた私が、主観でオススメ企業を紹介しよう。

 

 

No.1 DIC

 

売上 8055億円

従業員数 20620人

海外売上比率 約60%

インキを中心に取り扱う。吉岡里帆が3年連続でCMのイメージキャラクターを務める。海外展開に早くから取り組んでいたため、グローバル展開も進んでいる。東京駅徒歩圏内に自社ビルを構えており、とても綺麗。海外駐在のチャンスも非常に多い。給与体系が年功序列ではなく出来高とも言われており、これは化学メーカーには非常に珍しい。年収千万を狙える。紙などのインキは厳しいが、食品のパッケージなど幅広く手掛けていて、途上国への展開も進んでいるので、未来はあるだろう。秋あたりにワンデイのインターンがあり、そこで選考の優遇があると聞いたことがある。採用は面接のみ。

 

 

No.2 JSR

 

売上 4219億円

従業員数 7203人

海外売上比率 約50%

ブダジエンを使った、自動車用のゴムなどを製造する。日本ゼオンも同じ分野に属するが、JSRがシェアトップ。年収千万を狙える上に、比較的ホワイト。汐留直結のビルで、とても綺麗。ブタジエン事業の利益率が悪くなってきており、新たな事業分野の開発がマスト。しかし、ライフサイエンスの分野もまだ事業化出来ておらず、その辺の動きの遅さが目立つ。夏に5デイのインターンを行っており、化学メーカーでは唯一だろう。営業同行などの充実のコンテンツ。倍率は高いが、挑戦してみよう。本選考にグループディスカッションあり。

 

 

No.3 昭和電工

 

従業員数10634人

売上 9921億円

海外売上比率 約40%

 

ニッチトップを目指していく機能性化学メーカー。中国の環境規制が変更されたことで建設需要が増加、その影響で「黒鉛電極」という製品が大きく利益を叩き出した。今、波に乗る企業だ。しかし、こういう特需みたいなものは、長くは続かない。そこを見越して、このタイミングで計画的にリストラ(クビのことじゃないよ)を実施。今後さらなるヒット商品を生み出すべく、着々と準備を進めている。浜松町に自社ビルを構えており、とても綺麗。40歳あたりで年収千万に到達する。採用は面接のみ。

 

No.4 東ソー

 

売上 7537億円

従業員数 12037人

海外売上比率 約50%

 

国内屈指の総合化学メーカー。ナフサクラッカーを所有している。南陽にアジア最大級の工場を持っており、アジア諸国に規模で勝負できる数少ない日系企業。非常に体力がある企業である。年収千万が狙えて、ホワイト。採用は面接のみで、2回だけ。時間も短いため、就活生への負担が少ない。ただし、Webテストは難しい。

 

No.5 日産化学

 

売上 1934億円

従業員数 2511人

海外売上比率 不明

 

日産という名前だが、自動車の日産とは関係ない。規模こそ大きくないが、確かな技術力を持っている。「研究開発費売上高比率」という指標があり、技術開発にどれだけ注力しているかが分かる指標だが、日産化学はこれがJNCなどと並び非常に高い。メーカーのコアである技術力がしっかりしている印象。採用は普通に大企業並に難しい。

 

No.6 住友化学

 

売上 2兆1905億円

従業員数 31837人

海外売上比率 64%

 

このページでは初めての売上兆超え企業となった。覚えとおくと良いが、「1兆」という数字はある種、企業の規模を測る基準と言える。9921億円と売上を伸ばしてきた昭和電工も、「売上1兆を目指して」という形で事業を拡大してきた。中期経営計画などで、売上1兆を目指す企業は多い。

そんな中、2兆超えのぶっ飛んだ額をたたき出すのがこの住友化学

 

f:id:orenanca:20190527010342j:image

画像:業績ランキング 化学 Ullet

 

上の図を見てもらえば分かる通り、国内3位の売上。皆様ご存知の「花王」、「資生堂」らを大きく引き離す、莫大な事業規模が特徴だ。

ここでもうひとつ付け加えると、日本には三大化学メーカーなるものが存在する。すなわち、「三菱ケミカルホールディングス」「住友化学」「三井化学」の3社だ。旧財閥系の企業名に負けない、立派な競争力を誇っている。

三菱ケミカルは、日系化学業界では他の追随を許さぬ巨大企業。社員はリーダーシップに満ちたエリートが多いそうだ。

三井化学は、規模こそ他の2社に劣るが、少数精鋭で莫大な売上を誇っている。社員はフランクで自由な人が多い。採用選考も極めて自由度が高く、雑談にしかおもえないような内容だった。(落ちた。)

そして、住友化学。エチレンプラントを有する総合化学メーカーで、汎用品を扱う。しかし、特筆すべきは機能性化学品の強さ。海外展開にも早くから取り組んでおり、社員のほとんどに海外駐在のチャンスが回ってくる。研究開発にも注力しており、その技術力で次世代に繋がる新製品を生み出す。社員は真面目で落ち着いた人が多く、採用選考でも学業のことを問われることが多い。そして、意外と難易度が低い。これは他の2社と比べてということになり、もちろんこれだけの大企業とだけあり、非常に難しい。しかし、相対的に見ればチャンスはある。採用枠が比較的多いことが関係しているのかもしれないが、詳細は謎。

2年後くらいに日本橋にオフィスを移転することも決定しているようで、綺麗なオフィスで働ける可能性も高い。選考にはグループワークがあり、これが極めて重要なプロセスになる。ここでの評価により様々なルートが用意されているらしく、社員面談ルート、グループ面談ルートなど、色々とあるらしい。メガ企業にありがちな、極めて不透明な選考ルートだ。(日本製鐵も面接が10回くらいあるらしい。就活生泣かせである。)

 

No.7 セントラル硝子

No.8 日本板硝子

 

この2社については、また別の記事で触れようと思う。

 

 

優良企業の見分け方

ここまでつらつらとオススメ企業を並べてきたが、これはあくまで私の個人的な基準により選定された、バイアスマシマシの企業に過ぎない。そこで、皆さんが自分で優良企業を探す手助けになるよう、私が使用した指標を紹介したい。

 

1⃣海外売上比率

グローバル企業を志向する人にはオススメの指標。売上高のうち、海外で計上したものの全体に対する割合を表したもの。その目安は、

 

30%以下;ドメスティック企業

40%;バランス型企業

50%;どちらかというとグローバル企業

60%;しっかりとグローバル展開できている企業

70%付近;社内でも英語バリバリの超グローバル企業

 

ざっくりとこんな感じ。もちろんこの数字がすべてではないが、おおむねのグローバル具合はこの数字を見ればわかる。「英語やだ」「海外やだ」という人も重視すべき指標だろう。

この指標で注意すべき点は、40%や30%で「グローバル企業」をうたっている企業が存在するということだ。以前、30%の企業の説明会でそのような発言があったため、「30%という数字は、正直海外展開が遅れているという印象を持ちましたが御社としてはどうお考えですか。」と確認したところ、「実は、海外展開をしたかったんだけど、体力が残ってなくてね…」と答えてくれた。ここでいう「体力がない」というのは、海外展開に回すだけのリソースがなかったということである。そもそもリソースというのは資源のこと。ここでいうリソースというのは、すなわち経営資源のことである。経営資源とは、ヒト、モノ、カネ、情報の4つと言われている。海外展開に回す経営資源の余力が残ってなかった、ということだ。すなわち、その企業はグローバル企業ではない。「グローバル企業になりたかった企業」である。数字は残酷だが正直で、すべてのバイアスをとっぱらってくれる。人事のグローバルという言葉に惑わされることなく、しっかりと数字を見ていこう。

ちなみに、この海外売上比率は意外と探すのがめんどくさい。リクナビの売上高などが書いてあるページに記載があることもあるが、ないことがほとんど。企業HPやパンフレットにないものかと探し、それでもみつからなかったら社員に聞いてみよう。私はこれらの方法で、選考を受ける企業の海外売上比率を把握していた。

 

2⃣海外に駐在している事務系社員の割合、もしくは海外駐在を経験している事務系社員の割合

 

前項に引き続き、グローバル志向の人にはオススメの指標。海外売上比率60%くらいの真のグローバル企業で、駐在している社員が10%くらいの企業が多い。これをひとつの目安に、その企業で自分が海外駐在を経験できそうか否かを見極めよう。

加えて、海外駐在に出向く社員の年次はどのくらいが一般的かも聞くと、なお理解が深まる。駐在先がある程度の規模を持っている場合、比較的若い年次(20代後半~30代前半あたり)で駐在のチャンスが回ってくる可能性もある。逆に、駐在先がまだまだ小さいと、駐在員はマネージャーとして、社長のようなイメージの業務になる。そうなるとやはり年次も上がり、40代などになる。若いうちに海外の経験を積んでおく、はたまた海外拠点でマネージャー経験を積んで本社の経営幹部に帰ってくる、あなたのイメージに近いのはどちらだろうか。

 

3⃣売上高

 

なにを今更、という感じだが、これも重要な指標だ。ある程度大きく名の知れた企業の方が、取引先が安定していたり、資金調達が容易だったり、なにかと仕事がしやすい。これも目安を記載しておこう。

~2000億円;中小企業

~5000億円;中堅企業

~1兆円;名の知れた大企業

1兆円以上;国内有数の巨大企業

こんなイメージ。日本の化学メーカーは歴史が長く立派で名の知れた企業も多いため、中堅企業以降なら知っている人からしたら立派な企業だ。しかし、化学業界を知らない人からしたら、中小企業もメガ企業もまるで見分けがつかない。おそらく、最初はみなさんもそうだろう。まずは、売上高を参考にしながら大企業かいなかをオートマティックに見極めよう。「日本〇〇」みたいな名前だとなんだかデカそうに思えるかもしれないが、調べてみたら1000億円以下なんてこともざらだ。財閥系の名前にもよくだまされる。最初は数字に頼るのもいいと思う。

 

4⃣営業利益率

 

「営業利益率」は、簡単に言えば、その事業で儲かってるの?という指標。100円の商品を作るのに110円の原価がかかっていたらマイナスになるし、90円で作れたらプラスになる。80円で作ったものを100円で売れていれば、もっと大きな数字になる。というようなイメージだが、かなり雑な説明なので、詳しくは各自で調べてみてほしい。これの目安について書いていきたいのだが、前提として、化学メーカーの利益率はメーカーのなかでもトップクラスで高い。そこだけ頭に入れておこう。さて、目安は

 

5%近辺;まあまあ

~10%;結構いい

10%~;やばい、すごい

 

極めてボキャ貧になり恐縮だが、だいたいこんなイメージ。この数字が高いということは、それだけクオリティの高いものを作れている、市場でうまく立ち回れている、世間から求められるものを作っている、物流費等を無駄なく管理できている、といえる。もっと言えば、その企業を通すだけで製品の価値が格段に上がる、ともいえる。この指標が優秀な企業は、それほど存在価値が高いということなのだ。

 

5⃣研究開発費

 

その名の通り、製品の研究開発に注ぎ込んだ費用のこと。研究開発とは未来の製品の種探しであり、未来への投資だ。現状の事業にあぐらをかき、未来への投資を渋る企業に、私は入りたくないと思った。設備投資費などと共にチェックしておくことで、企業が長期的な目線で運営しており、コアとなる技術力をしっかりと醸成しているかを確認しておこう。

目安について、研究開発費の尺度を示すのは少し難しい。「研究開発費売上高比率」という指標が最も使いやすいだろう。その名の通り、研究開発費を売上高で割れば出てくる。財務諸表に書いてあることもあるが、無ければ自分で出せば良い。具体的な目安は、

 

~3%;大丈夫かな…

~6%;まあ普通

~9%;未来は明るい

10%以上;非常に高い技術力を持っている

 

こんな感じ。10%以上の企業は国内でもかなり限られていて、確か日産化学、日本化薬あたりだったと思う。本当に数える程しかなく、心強い数字だ。

技術力は、研究開発によるものだけではない。M&A(企業の合併、買収)により、高い技術力を持つ企業を抱き込んでも、技術力は獲得できる。研究開発と併せて、そういった投資の動きも重要だ。中期経営計画などで「M&Aに〇〇億円を準備」みたいなことを書いてあることも。これも、しっかりと未来を見据えていることの裏付けだ。

 

 

6⃣残業時間

 

これはみなさんも気になるところだろう。目安として、月の労働日数はだいたい20日。すなわち、月間平均残業時間が20hだった場合、平均して1日1h残業していることになる。定時がだいたい5時だから、6時くらいには帰れるかな、というイメージだ。では、具体的な目安に触れていこう。

 

~10h;まれに見つけられる超ホワイト企業

~20h;働きやすいホワイト企業

~30h;まあそのくらいだよね、まだホワイト企業

~40h;ギリギリホワイト企業

~50h;怪しい…

50h~;入りたくない。

 

これは、Open works(以前のVokers)での残業時間を目安に書いた。人により基準は変わると思うが、私は40h近い企業には一切応募していない。ホワイト企業がいいから。幸い、化学はかなりホワイト企業が多い。就活は大変だが、入ってしまえばまったりと暮らせるだろう。

加えて、定時も確認しておこう。定時の実働時間はデフォルトで8hだが、まれに8.5hのところもあるし、逆に7h45mや7.5hのところもある。見た目の残業時間に惑わされず定時も見ておかないと、「残業時間が少ないから選んだのに、定時自体が長いから、実働時間はおもったより長かった…」なんてことになりかねない。企業の採用HPや募集要項に必ず書いておるので、要チェック。

 

7⃣年間休日

 

残業時間と併せて、しっかりと確認しておきたい。目安は、

 

~120日;見たことない。

~123日;普通。

~127日;ちょっと多いやん♪

128日~;太っ腹すぎwwww

 

といった感じ。年間休日が1日増えれば、実働時間が9時間くらい減るわけだから、かなりうれしい。

 

 

 

 

 

いかがだっただろうか。私とは違う企業選びの軸を持っているあなたは、自分が大事にする指標を見つけよう。

それが数字では測れないのなら、企業にどんどん足を運ぼう。

ひとつの基準をもって企業を評価するという方法は混乱をせずに済むし、志望動機もとても書きやすいし、大事な考え方だ。

自分だけのお気に入り企業を見つけよう。

【就活】化学メーカー事務系は最強!!!

企業選びって、難しい。

このブログは、就活も終盤に差し掛かった私による、これから就活を始めるあなたたちへのメッセージである。

社会人なんて親と学校の先生くらいしか知らない我々大学生にとって、業界を明確な根拠をもって絞ることは、非常に困難である。業界は無数にあるし、まずどんな業界があるのか知るのも一苦労。

もちろん、そんな就活生はあふれているのであって、業界を紹介する書籍なども多数出ている。しかし、それらは我々就活生の関心の本質とは程遠い部分を語る。残念ながら、あれらの書籍を参考にしたところで、あなたがたどり着くのは「実際に行ってみたらなんか違った」という悲しい現実に違いない。

なぜそんなことが起こるのかというと、就活生の関心は、企業側からは積極的に触れづらい部分にあるからである。企業は、「こんな人が活躍できる!」「こんな事業に携われる!」「こんな業務をできる!」といったものが中心になってくる。しかし、おそらくあなたたちがそれらの条件よりも重視する条件は、残業時間、休日、年収、転勤の有無、業務のぬるさ、社員の人柄(競争意識が高いのか、おっとり仲良くなのか)、就活における入社難易度などといったものではないだろうか。

40数年務める企業である。そういった条件が重視されるのは、至極当然だろう。しかし、企業側としても、それらの条件を前面に打ち出して集まってきた就活生は、楽をしたいだけの怠け者ばかりになってしまうのだから、あまり言いたがらない。

これは、化学メーカーでまったり仕事をしたいと願った私が、徹底的にリサーチして情報を集め、さらに就活をとおして大量の企業を見てきた上で、集めただけじゃもったいないので暇つぶしに共有するブログである。

できる限り客観的な情報を基にお届けしたいのだが、それはすなわち調べればわかる情報。多くの企業に足を運んだ私だからこそ分かる、主観的な情報も盛り込んでいきたい。しかし、それはネットにかかれた憶測に過ぎないということも併せて留意していただきたい。エッセンスとなる情報の真偽は、ご自身で調べて頂くことをお勧めする。

 

他業界との比較から見えてくる化学業界

さて、前置きが長くなり恐縮だが、化学メーカーを様々な観点から比較してみたい。

文系人気就職ランキングを見た感じ、サービス(ここでは旅行とする)、銀行、総合商社あたりが多そうだ。この辺と比較してみたいと思う。

*残業時間の比較方法としては、転職サイト「Vorkers」https://www.vorkers.com/を使用する。
知っている方も多いだろうが、一応説明しておこう。Vorkersは実際にその会社で働いたことのある社会人による投稿で成り立っている。レポート数も非常に多い。就活をするうえで大いに役立つサイトなので、ぜひご自身でも使ってみていただきたい。
ここでは、各業界についてレポート数順に並べ、上位10社の平均値を割り出して比較する。サンプルの抽出について違和感を覚える方は、ご自身でサンプルを決めてやってみるとよいだろう。ここでのサンプルの設定は、レポート数が多いということは最王手であり、業界の典型的な代表例といえるであろうという仮説に基づくものである。
*転勤については、数字のデータを出す方法を思いつかなかった。ネットで調べて、業界の常識のようなものをできる限り持ってきたつもりだが、抽象的であることについてはご留意いただきたい。
*採用人数は、リクナビで従業員数3000人以上に絞り、上に出てきた企業を対象に集計。

業界名 残業時間(月間平均h) 転勤の有無 採用人数(文系のみ)
化学 26.62 工場に2~3年行くことが多い 10~20が多く、40超はなし
旅行 35.6 少なめ? 大手なら500人超
銀行 29.62 不正防止のため多い メガバンクは1000超も
総合商社 35.45 国内なし、海外は必ずある 100~300程度

どうしてもサンプルの基準がぶれたり、明確なデータが得られなかったりする部分があり、信ぴょう性に疑問が残るところはあるが、ご容赦いただきたい。
こちらのチャートは参考程度にしていただくとして、私が言いたいのは、化学は比較的労働環境が良いが、狭き門であるということである。つまり、就活はなかなか内定が出ずしんどいが、通ってしまえばまったりとした人生が待っているということだ。たった一年頑張れば楽な40年が待っているのだから、頑張ろうということである。

ネットだけじゃ分からない化学メーカーのあれこれ

これまではネットで調べればわかることをつらつらと書いてきたわけだが(とはいえ調べるのめちゃくちゃ大変だった)、ここからは大量の化学企業に足を運び、大量の社員からぶっちゃけ話を聞いてきた私の、体感的な化学メーカーを紹介していきたい。

〈それなりに高給〉
年収ランキングではそれほど上位に名前を表さない化学。しかし、企業の平均年収は理系のラインで働く人たちの年収も含まれるため、高卒や高専卒の社員の年収もサンプルに含まれているのが実際のところ。事務系総合職に限ってみてみると、案外悪くない。前述のVorkersを見てもらえれば分かるが、出世すれば年収1000万も夢ではない。地味な業界だが、以外にも大台に乗ることが可能なのである。
また、給与体系も特徴的。そのほとんどが年功序列体系である。インキメーカーのDICは、化学では極めて珍しい、能力給の給与体系を敷いているとの情報もある。
高給を狙うなら、海外駐在は最たる方法だ。海外手当なるものが出て、うまくいけば年収が倍になる。住宅なども支給されるため、可処分所得は跳ね上がる。

〈むちゃくちゃな転勤はない〉
化学メーカーの大きな特徴は、東京・大阪・名古屋くらいにしか営業所がないため、事務職の転勤がそこまで多くないことである。中には東京と大阪のみ、東京のみなんてこともある。そういった地方都市なら、転勤のダメージも田舎に飛ばされるよりは少ないだろう。
一方で、やはりメーカーなので工場で働く人がいる。例えば、日本ゼオンでは、新卒採用者は最初の数年を工場で過ごす。メーカーで働くものとして、工場を一度見ておいてほしいという趣旨である。事実、工場で培った製品知識や人脈は、後々の本社業務で大いに活きてくるそうだ。こういった理由から、初任配属で工場に行く形をとる企業はかなり多い。体感で7割程度である。しかし、おそらく初任配属時は独身であることから、家族に迷惑をかける心配はない。子供を転校させてしまったり、嫁が仕事を変えないといけなかったりということは避けられる。将来的に見れば、そういった転勤を避けることは比較的容易である。事務職は工場よりも本社勤務が多いからである。これらの理由から、絶望的に困る転勤を迫られるケースはあまりない。

〈まったりとした人たち〉
これに関しては相対的な基準であるにもかかわらず、他業界はあまり見ていないため、やや主観的な尺度になってしまうことご容赦いただきたい。
座談会でよく聞かれる質問に「社員の方々はどんな雰囲気の方が多いですか?」という質問がある。ほとんどの化学企業において「真面目で落ち着いた人」という返答がくる。そして、周りを見てみれば納得。みんなのほほんとしていて、落ち着いていて、優しそうである。以前銀行のインターン会場の横を通った時、全員が髪をビチビチにセットしていたのは印象的だった。化学メーカー志望の就活生はノーセットの眠そうな人が多いような印象。こればかりは企業により違う(大陽日酸は体育会系っぽいと聞いたこともある。)。しかし、概して言えば、いわゆる体育会系とは程遠い、ゆるーい感じの人達がそこにはいるはずだ。

〈ほとんど潰れない〉
これは、化学メーカーに限らず、素材メーカー全般に該当する特徴である。

ものづくりの流れは、しばしば川の流れに例えられる。「川上」は、例えば金属を精錬したり、原油を扱ったりするような、ものづくりの原点と言うべき存在。「川中」は、川上から仕入れた製品を加工、整形し、素材に付加価値を付けていったり、素材を組み合わせて部品を作ったりする。「川下」は、いわゆる皆さんが知っているメーカーというものである。カゴメSONY東芝TOYOTAなどだ。恐らく、就活を始めたばかりのあなたは川下メーカーの名前しか知らないはずで、それは当然だ。関わりが無いからである。

さて、化学メーカーはどこに分類されるか…その前に、化学メーカーは「総合化学メーカー」と「機能性化学メーカー」のふたつに分類される。総合化学メーカーに分類される要件として、「ナフサクラッカー」と呼ばれる装置を所有しているかが大きな判断基準となる。このナフサクラッカーとは、鉄で言ったら精錬する装置のように、石油を化学製品に加工していくためのファーストステップにあたる化学反応を起こす装置である。これは大きな初期投資を伴う装置であるため、現在国内では14社しかナフサクラッカーを有していない。比較的大規模なビジネスを展開していると言える。しかし、「汎用化学」とも呼ばれるこの分野は品質による差別化が難しく、物流費や製造コストを切り詰める価格競争に終始することが多い。その場合、規模では国策企業を有する中国などにはどうしても負けてしまう。そのため、総合化学メーカーは汎用品の製造を続けながらも、機能性化学品に力を入れる企業がほとんどだ。そんな総合化学メーカーは、ものづくりの流れにおいては川上にあたる。
一方の機能性化学メーカーは、総合化学メーカーのナフサクラッカーによって産出された様々な化学品を買い取り、さらに加工していく。ここに分類される企業がほとんどである。製品群や市場は多岐に渡り、その分価格競争より品質勝負になってくるケースも多い。総合化学は競合とやり合うイメージで、機能性化学は新たな製品開発に挑むイメージがある。そんな機能性化学は、ものづくりの川中にあたる。
こうして加工された製品が、川下のメーカーを経てみなさんの手元に届くのだ。

さて、なぜ川上、川中にあたる素材メーカーが潰れにくいのか。それは、事業分野が多岐にわたるからだ。
例えば、川下メーカーであるTOYOTAを思い浮かべよう。今や30兆近くの売上を誇るバケモノのような企業だが、あえて大袈裟に、ある日この世の人々が車を使わなくなったらどうだろうか。例えば、政府がマックは健康に悪いから全面禁止にしたら、マクドナルドの経営はどうなるか。恐らく、両社とも潰れるだろう。
一方、素材メーカーはどうだろうか。自動車産業が全滅したら、自動車産業を主力にしていた素材メーカーは計り知れない打撃を受ける。しかし、自動車関連の製品しか作っていないということは極めて稀だ。他にも建築用、医療用、次世代エネルギー用…多岐にわたる分野に手を出していることがほとんど。打撃は受けるが、なんとか持ちこたえることができるのである。
もちろん、いいことばかりではない。原油の価格が極めて重要なので、政治的要因による原油価格の変動は、そのまま何千億という売上の変化に直結する。しかし、相対的に見て安定していると言って差し支えないだろう。


【おわりに】
以上の理由より、化学メーカーについて少し調べてみることをオススメする。また、非鉄金属という業界も比較的似た毛色の業界になるので、併せて要チェック。それでは、また会いましょう。