orenancaのこつこつブログ

就活(特に化学、非鉄金属メーカー)、スーツなどの情報を配信。ショボイ記事ばっかですが、こつこつやっていきます。

【就活】グループディスカッション徹底解説!!

私は就活生で、不安に背中を押されながら、行く意味があるか判断のつかないイベントにとりあえず足を運ぶ日々を送っている。

そして先日はグループディスカッション(以下GD)の講座のようなものに行ってきた。講師がかなり「分かってる人」だったためコンテンツも充実しており、得るものも多かったので、ここで共有してみたいと思う。

どんな人と同じグループになるかにかなり大きく左右される究極の運ゲーであるGDだが、少なくとも通過率を極限まで高める努力はしておくべきだろう。では、内容に移っていく。

 

1. 企業の評価視点

2.求められること

以上2つの項目に沿って進めていこう。

 

【1.企業の評価視点】

やはり、こういうものは相手側の視点に立たなければ始まらない。企業がGDを選考に組み込む意義、その意図は大きく分けて3つだ。

 

1 選考視点…面接では見られない、「グループとして」なにができるかを判断。選考の終盤に組み込まれている場合、この傾向が強い。

2 足切り視点…変なやつを落とす。「選ぶ」より「落とす」である。選考の序盤に組み込まれていることが多い。

3 意向形成視点…企業との接点を増やすことで、企業に愛着をもってもらい、応募数を増やしたり、内定を出した際の就職率を高めたりする狙い。フィードバックをしっかりとしてくる企業はこの傾向が強い。

 

妙に納得感のある説明だろう。

見分け方としては、選考のどのフェーズに組み込まれているか、監視の数はどうか(複数卓を1人で見るか、1卓に1人がべったりか)、フィードバックへの力の入れ方などだ。当然企業の意向によって通過率は左右され、それはすなわち我々就活生が取るべき戦略を指南してくれる。

無難にいくのか、目立ちにいくのか。あなたは明確な根拠を持ってGDに挑むことができるだろう。

 

 

【2.求められること】

GDにおいてあなたのグループが求められることは、とてもシンプルだ。それは、

 

「テーマに対し」「チームで」「時間内に」

 

この3つである。そして、あなたが求められることは、この3つに対して積極的に、ポジディブに取り組むこと。この軸を見失っては、痛い目を見るだろう。以下、詳細な内容に触れていく。

 

「テーマに対し」

限られた時間内で練られた結論を提示するにあたり、脱線は絶対に許されない。エッセンスを話すはずが、思い出話をダラダラと語る者は、邪魔者以外のなにでもない。

こういう邪魔者が評価されないのは自明だが、議論を戻す一声をかけられる人は高評価である。全体を俯瞰できている印象を与えることが出来る。常にテーマを忘れず、ゴールを見失わずに議論を進めよう。

コツとして、具体的な方策を2つ挙げる。

 

①キーワードを定義する

知っていなければなかなか思いつかない視点だが、これは序盤に必ず済ませなければいけない。例えば、「いい企業とはなにか。」という問いに対して、定義付けを怠ったまま議論を進めたとしよう。終盤になって議論が白熱してきたところで、「そもそも、いいってなに?だれにとって?どういう方向に?」といった方向性が統一できていないことに気づく。議論は振り出しである。すべきことは、最初に「投資家が信頼して投資できる」とか、「就活生が入りたがる」とか、「従業員が気持ちよく働ける」とか、なにかしらの定義をする。でないと、議論が進んでから壁にぶち当たることになる。定義付けは忘れず最初に済ませよう。

 

②要素分解

これは自然にできているかもしれないが、必要な視点である。問題を十分に吟味し、構造的に理解することで、触れるべきところに触れていないことに気付いたり、定義に一貫性がないことに気付いたりできる。例えば、「この冬、絶対に売れるバレンタインチョコを提案してください」という問題が出たとしよう。まずは、落ち着いて要素分解を始める。

「この冬」となると、いつでも売れるものも良いが、この冬だけ売れればあとはなんでもいいことになる。平成最後という文句をいれるなり、妖怪ウォッチ(古い?)をパッケージに入れたり、なんらかのアイデアが出てくるだろう。

「絶対に売れる」とは、なんだろうか。当たり外れのある突飛な商品は、このテーマでは危険だろう。ある程度の数が売れれば、バカ売れしなくても良さそうだ。多少味が雑でも、万人受けするパッケージにしておけばテーマは達成できるだろう。

「バレンタインチョコ」といっても様々。本命、義理、友チョコ。学校、家族、職場。女から男、女から女、親から子供。どのマーケットに絞るのか、はたまた絞らないのか、議論の余地がありそうだ。

こんな具合で、要素分解してテーマを丁寧に吟味することで、テーマに沿った答えを用意できる。

 

 

「チームで」

あくまでもグループワーク。ビジネスシーンでもほとんどがグループでの業務である以上、みんなとうまくやれるかは言うまでもなく重要である。チームの目的を見失わず、自分にできることを見つける。みんなのいいところを引き出し、適材適所を心がける。自己PRに走ることなく、チームへの貢献を第一に考える。言い方ややり方に気をつけ、周りに気を配り、ギスギスした雰囲気を出さない。もっと言えば、物腰の柔らかさや笑顔の素敵さ、聞く姿勢やリアクションなども重要になってくる。なんの能力が見られているのかよく分からなくなってくるが、みんなほとんど能力がないようなものなので、そういった人柄みたいな要素はやはり重要になる。

 

「時間内に」

ビジネスシーンにおいて期限を守れないことは、その後のすべてのフローがずれることを意味する。ビジネスにおいて時間厳守は鉄則。時間を守れないものに仕事は回ってこない。

あなたのグループは、与えられた時間内にすべてを完璧に終わらせなければならない。常に時間に気を配り、30秒前には発表の練習を何回かしたくらいの状態まで持っていきたい。

おおまかなスケジューリングは必ずした方がよい。具体的には「拡散→収束」。このイメージは大変使い易い。例えば、30分あったとしたら、20分が拡散で10分が収束といった具合。拡散では定義付けをした上でブレストのような形で様々な可能性を考える。10分前になったら書記を中心にまとめに入り、結論を出した上で根拠付けなどで完成度を高め、発表者に発表の練習をさせる。そして、余裕をもってタイムアップ、という具合だ。拡散ばかりダラダラとやるのは非常に危険。求められているのは、答えを出すことである。

 

 

いかがだっただろうか。まとめると、

1.企業の評価視点

  ①選考視点

  ②足切り視点

  ③意向形成視点

2.求められること

  「テーマに対し」「チームで」「時間内に」

といった内容だ。こういった知識のないメンバーにも、専門用語を避けつつそれとなく伝え、一緒にやらせることが大事だ。

そして最後に、私は講座の中で評価する側の体験もさせてもらったが、そこで強く強く感じたのは「しゃべってない奴は評価のしようがない」ということだ。よくしゃべるけど内容が微妙な人は合格にしたくないが、その人よりしゃべってない人を優越する訳にはいかない。しゃべってない人は未知数だから、評価できないからだ。こういうのが苦手な人には申し訳ないが、しゃべらない人が通過するのは大変難しい。そして、しゃべれとしか言えない。

 

得意な人は最後まで得意、苦手な人は最後まで苦手と言われるGD。場数を踏んで、究極の運ゲーでも通過率を上げたいものである。

【書評】幸せな選択、不幸な選択 ポールドーラン著

要約しアウトプットすることで内容を復習できるし、後から見返すこともできるし、なにより皆様にオススメしたい素晴らしい本だったので、初めて書評を書いてみることにする。なにせ慣れていないもので読みにくいかと思うが、何卒御容赦いただきたい。

 

「幸せな選択、不幸な選択 行動科学で最高の人生をデザインする   ポールドーラン著」

 

さて、この本の著者はポールドーラン。過去に経済学を研究していたが、行動科学(心理学や社会学などの総称)の研究に進む。そんな特殊な経歴を持つ彼は、行動科学初心者である我々の視点も持っているため、とても良い読み心地であった。

内容としては、「幸福」の定義から始まる。行動科学の世界では抽象的な幸福という尺度に無理やり具体性を付与するべく、幸福度という尺度を使って定量化している。しかし、ポールはその前提からしっかりと定義して論理を展開するため、読者としても飛躍なく読み進められる。

 

そして、気になる定義だが、私の言葉でまとめると「『快楽』と『やりがい』の最大化とバランス」である。究極を言えば、これがこの本のすべてだ。

快楽はそのままの意味、楽しさや快感などのことだ。やりがいとは少しイメージしにくいかもしれないが、こちらは具体例を列挙しよう。筋トレ、読書、通勤、家事、仕事、ボランティア、…これらの行為はやりがいが高い。なんとなくイメージして頂けただろうか。

あなたは、この快楽とやりがいというふたつの尺度によってあらゆる行動を評価できる。

例えば、ビールを飲んだりタバコを吸ったりしている時。快楽はこの上ないものだろうが、健康を害するという意味で、やりがいは低めである。

勉強をしている時。快楽を感じる人もいるだろうが、だいたいの人は楽しくないと感じるだろう。だが、皆すべからく、確実にやりがいは感じるはずだ。

野球をしている時。あなたが野球が大好きなら、やっていて楽しくて仕方がないだろう。さらに、適度な運動は健康にもいいから、やりがいも高い。ただ、部活などで無理やりやらされる野球では、快楽は低くなるかもしれない。

なんとなくわかって頂けただろうか。そして、我々が目指すべきは、出来るだけ不快感や虚無感を排除し、快楽とやりがいを高めることだ。

 

さらに、そのバランスにも気を配らなくてはならない。快楽ばかり追い求めては、自分の人生に虚無感を感じてしまう。やりがいばかり追い求めては、心がパンクしてしまうだろう。できる限り快楽とやりがいを最大化した上で、その均衡を保つことが重要なのだ。

周りの人々を注意深く観察すると、「快楽型」と「やりがい型」の2種の人間がいるはずだ。あなたは自分と逆の型の人と過ごす時間を増やすことで、バランスを調整できる。毎週末夜の街に繰り出す友達と行動を共にすれば、あなたの生活がどう変わっていくかは自明だろう。

 

これらが、ポールが定義する「幸福」である。その後、幸福度を高めるための個別具体的なテクニックや考え方が多数紹介される。実生活に基づいて書かれており今すぐ使えるテクニックもたくさんある。マルチタスキングやマインドフルネスなど、あなたが気になっているであろう心理学のことも諸々触れられており、行動科学の教科書、入門書と呼ぶにふさわしい。

300ページを超えておりややボリュームがある上、何分内容が抽象的なので若干読みにくいが、将来を幸福にしたい就活生などには特におすすめ。あらゆる行動に根拠を持つことは、有意義な時間を過ごすことに必ず繋がる。

 

あなたはこれからも、なんの「やりがい」も感じられないソシャゲにイライラして「不快感」を募らせたいだろうか。それとも、科学の知識を手に入れて自分の行動を変えて、最高の人生をデザインしたいだろうか。後者であれば、この本を読んでみてはいかがだろう。